資生堂のCMのこと

先日、資生堂のCMがクソ化して悲しいというものを読みました。

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資生堂のCMをよく知らないのでクソ化してるかどうかはわかりませんが、クソ化の例として挙げられているCMについては別な見方もあるのでは?とも思うので、その点について書いてみようかと思います。

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この記事中で「日焼け止めだったんだ!」といっちゃう残念さ、とありましたが、これは似ていないから名前を言わないと誰のモノマネをしているのかわからないモノマネと同じ捉え方をしているのかと思います。つまり、日焼け止めのCMなのに自ら日焼け止めと言わないと伝わらない、出来の悪いCMだと言いたいのかと思います。
ですが、これは当たっているようで当たっていないと考えます。

このCMは日焼け止めに関心のある人に向けたCMではなく、シミ対策に関心のある人に向けたCMだと思うからです。

私はシミ対策や日焼け対策についてよく知らないのですが、恐らく、シミ対策にはシミ対策用の何かがあるのだと思うのです。そしてシミ対策には日焼け止めが良いとはそれほど認識されていないのではと思います。
だから、資生堂はシミ対策にも日焼け止めが良い、シミ対策=日焼け止めという認識を持ってもらいたいのでは、と考えているのではと思います。
加えて、日焼け止め=ANESSAというイメージがあるのかもしれませんが、CM前半でシミ対策=日焼け止め、そして最後を商品名で締めることで、日焼け止め=ANESSA金のつや美肌・白の薬用美白という認識を持ってもらう。最終的にはシミ対策=日焼け止め=ANESSAの商品という形を作りたいのかな、と。 だから、日焼け止めということを自分で言うのは、シミ対策には日焼け止めだとしっかり認識してもらうためにイメージ映像ではなく言葉にすることを選んだのではと思うのです。それをクリエイティブの敗北だと言われればそうかもしれませんが。

このようなことをする理由は、日焼け止めの売上を上げるため、日焼け止めに関心を示さない人に興味を持ってもらい購入していただく、つまり市場開拓なのかもしれません。
日焼けを防いで白さを保ちたいから日焼け止めをしたいという人が減って、シミ対策をしたい、という人が増えていて、そういう人の選択肢にしてもらいたいから。あるいは、日焼け止め市場で売上が落ちてきて、別の市場での販売を考えたから、もしくは単にもっと多くの人に日焼け止め購入してもらいたいから、などでしょうか。

日焼けを防げればシミの原因を減らせるのだと思うので、シミ対策で色々やるのも良いですが、立ち返って日焼け対策し、原因を減らしましょう、というのもシミ対策に関心のある人にとって良いことだと思います。
日焼け止めがあれば、日傘もサングラスも無くて平気だとCMで描くくらいに商品自体には自信があるみたいですし。

コメントに水着だとフェミニストのクレーム対策やらコンプライアンスで、みたいなことを言いたいのかと感じるものがあったと思います。確かにそういう理由の可能性もあるでしょう。ですが、恐らく水着姿なんかでCMを作ったら、見た人に自分とは関係のないCMだと認識されて注意を引けないからという単純なものではと思います。
今の世の女性方は肌の露出を抑えたい人が多いのではと感じます。ましてや、シミ対策に関心がある人はなおさらだと思います。

冒頭の記事を書いた方が言いたいことはこういうことではないようにも思いますが、資生堂のCMがなんの工夫もなく淡々と商品機能を伝えているだけでもないと思います。
それに言われるほど、機能説明をしていたかな?とも思います。 セリフは下記の通り、機能説明ではないと思います。

シミ対策、いろいろやってもシミはできちゃう
大事なのは、そうか、頼りになる日焼け止めだったんだ
シミ対策に迷いなし
しっかり守る金のつや美肌、白の薬用美白 アネッサデイリージェル


日焼け止めだったんだ、のセリフの直後に商品のカットを入れて強調しようという意図なのかもしれませんが、日焼け止めを手のひらに出して顔に塗るカットなんかが機能説明を垂れ流している印象を与えたのでしょうか。

ただ、資生堂ならシミ対策用の何かも販売してそうにも思うのですが、それを購入する人が減ることがあるかもしれません。
そうであれば、ここまで書いた理屈も間違ってそうです。
なんと言っても私はファイントゥデイ資生堂という関連ありそうな企業にもナノ秒で書類選考に落ちたくらいなので、全くの的はずれな見解の可能性も大いにありです。