「ケーキの切れない非行少年たち」を読んで考えたこと

先日、「ケーキの切れない非行少年たち」という本を読みました。その際の思いつきを残しておこうかと思います。

この本では認知能力が特に低い人の存在が紹介されていました。そういう方々への対応・教育は現在の義務教育などの教育システムでは対処しきれないようです。また、認知能力が低いため日常の生活がしづらく、人によっては犯罪を犯してしまうこともある、と。

この本に書かれていることが事実だとしたら、こうした人達に早期に適切な教育を行えれば、大いにプラスになると思いました。
犯罪も減るでしょう。犯罪に巻き込まれる人も減ります。適切な教育を受けられたことで、現状では発揮できない能力を発揮して活躍することもあるかもしれません。活躍するかどうかは別としても当人にとっても生きづらさがなくなれば、人生も変わるのではないでしょうか。
これから人口が減っていくわけですから、一人一人が持てる能力を発揮できるような環境や仕組みづくりも大切でしょう。

そこで簡易な診断ができるアプリを作り、そこから本格的な診断・教育に繋げられる仕組みがあればいいのでと感じました。

本では、いくつかの診断方法が登場していました。たとえば「Rey複雑図形の模写」という手法を使用した例がありました。
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画像にあるように、図を模写させて、お手本との一致具合で診断するようでした。他にも色々あるようですが、こうした図を真似て一致具合を評価する、ということはアプリでもできそうな気がします。図を真似る、などは、こどもに遊び感覚で取り組ませることもできそうですし。
その診断結果を、あくまで簡易なものとし、何か問題がありそうであれば、近くで本格的な診断ができる場所を紹介し、希望次第で、そのまま診断の予約もできるようにすれば、便利ですし、親も対応がしやすいように思います。
こうしたことを国が主導で行えばよいのではと感じます。小学校など既存の教育システムとの橋渡しをしてあげるわけです。
診断する側の審査も国がしっかり行えば、安心でしょう。
親の不安感を煽っていい加減な商売をする所を排除できるでしょうし。
これが機能すれば、教師の負担もいくらか減らせるかもしれません。

子供の診断用ですから、その親が快適に使用できることを考えれば良いので、利用者は比較的、若い人になるでしょう。そうであればスマホやネットに馴染みのない人に不親切だ!なんて声も上がりにくいでしょう。宣伝・PRもデジタルで安価どころか、Twitterにでも流せば、それがLINEにも流れて簡単に広まり定着するかもしれません。

人の能力を計る、それも低い人を探すことになるので、プライバシーの問題があるかもしれません。小学生くらいになれば、診断結果が漏れたりすればいじめられたりするかもしれません。勝手に、親意外が診断できると情報管理が難しいかもしれません。簡易診断ができるのは親だけ、と限定できればよさそうですが、そうなると、マイナンバーや母子手帳と絡めるなどといことになるのでしょうか。それだと大掛かりになりますし、利用者の抵抗が強まりそうですが、外部に漏れにくいという安心感はありそうに思います。ただ、親に限定すると、ネグレクトなど虐待を受けていたり、何らかの理由で親がいない子がこぼれてしまうのでしょうけど。
また、テストの結果は診断が済めば削除されるようにすればよいでしょうか。

現状の教育システムでは対応しきれない人を考慮した新しいシステム、もうどこかが考えて動いているのでしょうね。