これで本当に折込チラシに効果があると言って良いのでしょうか

Twitterで折込チラシに関するニュースリリースを紹介するツイートを見つけ、そのリリースを読んだところ、モヤモヤしたのでそれを残しておこうと思います。

そのリリースとは下記のものです。
折込チラシ・WEB広告を見て店に行く人に関する調査結果をリリース

ちなみに、この記事、「Web広告」を見て店に行く人15.0%に対し、「折込チラシ」だと25.2%に上昇。地元情報の強さがうきぼりに【オリコミサービス調べ】で知りました。

折込チラシはWeb広告より実店舗への誘引力があるよ、行動喚起には効果があるよ、と言いたいのかなと思いました。
調査結果を見ると、新聞折込チラシを見て店舗へ行った人25.2%に対し、Web広告を見てお店へ行った人15.0%ということでお店にとっては折込チラシが良い、ということになります。
しかしながら、私はこれにモヤモヤしました。果たしてこれでチラシの方が店舗への誘引力がある、と言えるのか、と。

この調査リリースでは分かりませんが、これ、単純にチラシ、Web広告を見たかを聞いているだけで何の広告かということまで考慮されていないのではないでしょうか。

例えば、近所のスーパーのチラシにダブルソフト99円とあると、パン祭り参加者はもとより、非参加者も今日はここのスーパーへ行こう、となりやすいかと思います。一方、スーパーがこのチラシではよくあるダブルソフトお買い得情報をWeb広告で出すでしょうか。
スーパーがWeb広告を利用していたとすると、そこではダブルソフトより、ネットスーパーを利用したくなるようなミネラルウォーター1ケース、お米10kgいくらなどのお買い得情報を出すのではないでしょうか。しらんけど。
つまり、せめて同じ内容の広告で接触したあとの行動の結果を見ないと、チラシには行動喚起力があるよ、と言えないのではないか、と。

広告に接触してお店に行くかどうかには、折込チラシかWeb広告かといったメディアの種類ではなく、それぞれの広告に載せる商材・サービスの影響力が強いのではと思います。
先程、Webでは水やお米の広告では、と書きましたが、通勤帰りの時間帯であれば、スーパーやドラッグストアのチラシと同じような情報を出せばお店に立ち寄る人も多いかもしれません。Web広告でも位置情報を絡めることで、お店近辺の方に認知してもらえれば、店舗に来ていただけるような効果があるでしょうし。
したがって、この調査でチラシいいねぇと判断してしまうのは早計のように思いました。
同様にWeb広告接触者はWebで調べる傾向がチラシより強い、ということにしても、最寄り品か買回り品かの違いの影響がわかりませんし。
この手の調査は数年前ならまだしも、新聞発行部数が減少していっている今となってはライフスタイルの違いによる影響も大きいでしょうから、そうしたところまで考慮して実施したほうが良いと思います。

リリースでは、各メディアの役割が違うので併用するなどうまく使い分けていくことがよい、と随分と前から言われていることで締めていますが、このような今更感のある締め方をするなら、商材やサービスまで考慮した調査を設計して実施すればよいのに、と思った次第です。

ま、折込チラシの調査リリースですし、Web担も記事になれば何でも良いのでしょうね。見せる人も見る人も、それぞれにとって使い勝手が良ければすべて良し、といったところでしょうか。