付加価値額の大企業と中小企業とでの比較

日経新聞で中小企業の生産性改善に関する記事がありました。そこでその比較は意味があるのか?と思ったところから、つらつらと考えたことを書こうかと思います。
記事の本筋とは関係ないことなので、たんなる難癖みたいなものですけど。

記事では従業員一人当たりの付加価値額を大企業と中小企業で比較し、中小企業が3分の1で低さを読者に感じさせています。
ですが、それは当然ではと思いました。大企業と中小企業では売上の規模が異なるのではと考えたことが理由です。

どうせ大企業と中小企業を比較するなら、一人あたり売上高とか一人あたり営業利益に対して、一人あたり付加価値額がどれくらい占めるのか、割合で見る、といったものが良いように思います。
単純に付加価値額を比較するだけで中小企業の生産性が低い、と言っていいのでしょうか。

記事にもある中小企業白書を見ると、一人あたり付加価値額の推移がグラフ化されていました。日経新聞にはこれの直近の数値のみがグラフ化されていました。
中小企業白書_企業規模別従業員一人あたり付加価値額の推移

これを見ると、企業規模の違いでの差もさることながら、2008年頃に大企業は付加価値額を落としています。リーマンショックでしょうか。ですが、中小企業に変化は見られません。
その後、大企業は2007年頃の水準まで戻しています。中小企業は2008年以降も横ばいです。

東京商工リサーチの調べた売上への影響を見ると、企業規模に関わらず、同様の悪影響があったように見えます。

東京商工リサーチ_企業規模別業績推移 苦しさは同じようだったようですが、付加価値額には変化がみられました。この違いは何だったのでしょうか。

中小企業は多いので、それらの生産性が上がれば良いのでしょうけど、付加価値額が伸びない理由を明確にすることも大事なのではと思えます。さらには、リーマンショック時の大企業と中小企業の違いの理由も分かれば、大企業の生産性も小手先ではない、根本的な進歩もできたりするのかもしれないな、と思えます。
私は経済のことなどわかっていないので、だからなんだって話だけでしかないですけど。