メルカリは天井を壊せなくなってきているのでしょうか

久しぶりにメルカリのアプリを開いたところ、出品者と購入者を評価する項目を変更した、とのお知らせがありました。
その変更内容が私には不誠実に思えました。不誠実なことをし始めるということは打ち手がなくなって限界なのかなと感じましたので、そのことを残しておこうかと思います。

評価の変更内容

変更前  「良い」「普通」「悪い」
変更後  「良かった」「残念だった」
変更前の「普通」の評価は変更後の「良かった」とする

変更理由

「普通」の評価に対してポジティブに感じる方とネガティブに感じる方がいらっしゃるので、そうした解釈の違いをなくすため


私には今回の変更で解釈の違いによる問題を解決した、とすることに納得感がありません。
メルカリは多くの企業がやりたくてもなかなかできない、データ利用がうまい企業なのかと思いますので、この解決方法を本当に利用者のためになると思ってやっているとは考えにくいです。
私がメルカリを利用している範囲では「普通」や「悪い」という評価はほとんどみられません。それらに評価があっても片手の指で十分足りるくらいです。その程度であれば、仮に評価基準や「普通」の捉え方が人によって違っても大勢に大きな影響はないように感じます。また、このような状況では今後は「良かった」という評価ばかりになって評価の意味がなくなり形骸化していくような気もします。
それでもこのような変更をしたことからいろいろと考えてしまいます。
赤字が増える中、新型コロナウィルスのために巣ごもり消費でフリマはどうにかなっても、メルペイ利用が減っているのかもしれず、その中で儲けるためにはフリマの取引成立の障壁を除きたい、と考えてもその取引を伸ばす施策も見つからず、このようなことをしたのかな、と。


そもそも、私が納得感を持てない理由は、人によって解釈に違いのある結果を一律に「良かった」とすることです。

これまで「普通」という評価をした人は、その時「良い」でも「悪い」でもない理由があったから「普通」と評価したのだと考えられます。
それを「良かった」(これまでの「良い」)として集計してしまうのは、おかしなことでしかないと思います。「普通」には「良い」寄りの評価、「悪い」寄りの評価が混ざっていることがわかったのに、それらを「良かった」に統合してしまうことは乱暴です。

今回の変更で「良かった」という評価が増え、取引が活発になるかもしれません。ですが、「良い」とは言えなかったことが「良かった」となっていることで、期待値と結果の差が大きく感じられる場合が出て来ることも考えられます。そうなると利用体験が悪くなるのではないでしょうか。これではメルカリにとっても利用者にとってもプラスは無いように感じます。


メルカリのようなサービスは利用者の評価が重要なはずです。その評価結果がゴミになるような、怪しくなるようなことをしてどうするのでしょうか。

「普通」の解釈が人によって異なるのであれば、人による違いがなくなることを実施するべきでしょう。
たとえば、簡単なところでは、「とても良い」「良い」「悪い」「とても悪い」などにすれば人による解釈違いを抑えられるのではないでしょうか。
日本人はアンケート調査では極端な回答、例の場合で言えば「とても良い」「とても悪い」を選ぶ人が少ない傾向にあるようですから、「とても良い」などが少ないかもしれません。ですが、見方を変えれば「とても良い」が多い人はそれこそ安心して取引できる人、という判断ができるのではないでしょうか。

メルカリがこのような簡単なことを思いつかないとは思えませんし、もっと良い解決方法を見つけられそうに思います。むしろ、あえて粒度を粗くして「良い」という評価が増えるようにしたのではと考えてしまいます。このようなことをしてしまうのは、それだけ色々としんどくて天井をぶち壊せなくなっていて、メルカリの限界が目に見えるほどになったのかな、と。