テレワーク時代のBCP

テレワークを希望する人は多いものの定着するのか瀬戸際のような状況なのかな、と思う今日このごろ、以前から気になっていたことを残しておこうかと思います。

新型コロナウィルスの影響でテレワークが進み、回線や費用など環境整備を企業が援助する話をネットなどでも見かけます。そうしたことも重要でしょうが、同時に災害対策などはどうなるのかな、と気になります。

内閣府の調査ではBCP策定済みの企業は、大企業で68.4%、中堅企業は34.4%なのでほとんどの企業はまだなのかと思います。そうしたBCPも場所という視点で見れば、会社が存在するビルや工場などに限られているのではと思います。ですが、テレワークが定着すれば各社員が仕事を行う場、たいていは自宅になるのでしょうけど、その自宅も考慮に入れた対策が必要なのではと思います。特にすでにオフィスの規模を縮小したりしている企業など。

家庭での一般的な災害対策としては、飲料・食料の確保や避難用品を揃えてすぐに避難できるようにしたり、家具の転倒防止や建物の補強があるかと思います。
NTTドコモ モバイル社会研究所の調査結果では6割の方が何らかの備えを行っているようです。
また、古いですが国土交通省の資料では住宅の耐震化は79%だそうです。
こうした数字を見れば、6割は災害への備えができていて、8割の住居は災害でもなんとかなりそうで、問題ないようにも思えます。
ですが、例えば、若い人でひとり暮らしの方々は給料も少なく、居住スペースも狭いことが考えられます。そうなると、耐震化できていないところに住んでいる人も多いかもしれません。食料など狭くて余分に置いていない、といったこともあるかもしれません。

また、日中に災害が起こったとして、会社に通勤していれば、やれることは少なくても人が集まっているので、なんとかなることがあるのかもしれません。ですが、テレワークだと通信手段が途絶えた中、個人個人で対応するとなるとオペレーションもまた違ったものが必要になるのかもしれません。

災害も首都直下地震東海地震東南海地震南海トラフ地震といった巨大地震だけでなく、これからは台風による水害の頻度も上がるでしょう。そうなると建物は耐震化だけでなく水害への強さも求められます。水害は立地の影響が大きいでしょうから個人で気をつけるしかないかもしれませんが、それでも安全そうな場所に住めるだけの住宅手当を出すということもあるのかもしれません。

今までは、自宅でのことは各自で、ということでも良かったのかもしれません。ですが、自宅が職場にもなるのであれば、また違った見方が必要かもしれません。企業がそこまで責任を保つ必要が無いとしても、例えば、そういうことまで対応する企業は社員を大事にしているということでイメージが向上するかもしれません。採用面でもプラスになるかもしれません。

自宅や家族が大変な中で仕事をするにしても少しでも、そうしたものへの不安が少しでも小さい方がパフォーマンスもいいと思います。企業は社員に対して単なる防災の啓蒙で終わらず、テレワークかどうかに関わらずなにか具体的なことをするのも良いのではないかと思います。