パンフレットの作り方の参考になれば幸いです。

先日、とある場でOCL(オクル)というサービスの説明を受け、パンフレットをいただきました。
そのパンフレットを見ると、色々と気になって仕方がない事が出てきたのでブログに書いておこうかと思います。

OCL(オクル)とは株式会社KDCという企業が新しく初めたDM(ダイレクトメール)のサービスです。

サービスの特徴
- DMのデザインから支払いなど全てWeb上で完結。
- 圧着式DMの発送が可能。二つ折り、三つ折りに対応。
- デザインはテンプレートが豊富に用意されており、そこに手持ちの画像をはめ込むだけで完成。
- 1通1通内容を変えられるそう。どの程度変えられるかは不明。
- 1通99円から。安いのだと思いますが、実際の所は不明です。私は詳しくないので。

現状、まだまだあまり知られていないそうです。
なので多くの人に知ってもらいたい、そしてサービスもより向上させたい、といった考えがあるようです。

さて、こうした情報を得て、パンフレットを見ると、ん〜と思ってしまう点が目に付きました。
今回はそれらを書いていこうと思います。

まず、表紙です。

  1. 画像がよくないのでは?
    圧着式DMが送れることが魅力なら、もっと圧着式DM感を出すべきだと思います。 現状は、おそらく、DM作成・発送に携わる人には違和感がないのかもしれません。ですが、私のようにDM制作・発送に馴染みのないものには圧着式というよりは、単なる1枚ものの何かが送れる、という風に見えるのではないでしょうか。サイズ感もわからないのでなおさらです。
  2. デザインはテンプレートを選び、画像をはめ込んで完成させる、ということがわかりにくいと思います。
    例えば、現状のDM画像に向かって何枚かの写真がDMに飛び込んでくるようなイメージの画像を作ってみればと思います。そして現状のDMの一部の写真を空白にし、破線で枠を作り、その空いたスペースを目指して写真が飛び込むイメージです。そして、別のところでは、飛び込んで来た写真の半分程度がDMに張り付いて、残りがまさにこれからピッタリ張り付こうとしてるような。そうすればテンプレートにはめ込むだけ、という事が伝わりやすそうに思います。
  3. 企業名や企業ロゴを載せる。
    サービスの認知はなくても企業の認知はあるでしょうから、企業名で興味を惹くことも可能かと思います。
    そもそも、サービスブランドだけで広めなくてはいけない理由もないと思います。
    サービスに興味を持ってもらえてもサービス名を覚えてもらえない可能性は十分考えられると思います。その際に企業名を知っている人であれば、企業名からサービスに辿り着いてもらうこともできるでしょう。
    そして、DMというからには個人情報も絡んでくるでしょう。そうなると信頼できるのか?という点も重要だと思います。このKDCという企業は請求書やDM発送なども行っているそうなので、そういう企業が提供していることは信頼感・安心感につながるように思います。
    という訳で、企業名とサービス名の結びつきを強めた方が良いと思います。
次に2・3ページについて。


大きく分けると3つのグループに分かれています。左上と右半分はサービスのこと、左下はDM発送者が抱く悩みごとになっています。
このパンフレットは左綴じ?左開き?ですから、大抵の人は左上、左下、右半分という順番で目を通すと思います。そうすると、左下がサービスに関する情報に挟まれていて違和感があります。
おそらくは、左下の悩みごとは右半分にある特徴で解消できますよ、と理解してもらう流れなのだろうかと思いますが、それなら、悩みごとや不安要素とそれを解消できる特徴を同じページにしたり、視覚的に左下と右半分は関連しているとわかってもらいやすい工夫があった方が良いように思います。根本的に整理した方が良いように思いますが。

細かいところでは、左上の1通1通内容を変えられる、という表現、パーソナライズDMというのなら、一人一人に合わせられるなどの方が良いように感じます。送る人はお客様など人に届けたいのでしょうから、「人」が意識できる方が何か良さそうに感じるのではないでしょうか。1通1通はDM発送に意識が向いているだけ、DM業者視点のように感じます。

そして悩みごとの内容が、DMを手段として考えている人向けと、DMが手段に挙がっていない人向けのものが混在している点も気になります。分けた方がきれいだと思います。
あとは、発送が業界最速クラス、という点。微妙なNo.1訴求ですが、”クラス”とか根拠なしとかどうなんでしょうか。
それから、「簡単なデザイン」という文言は、デザインが安っぽい、のようにも読めるのでは。デザインは不要、デザインは選ぶだけ、とか考えた方が良いように思います。

次に4・5ページ目です。


左側はDMや圧着はがきの利点を第三者視点で伝えよう、ということだと思いますが、そもそももう少し、デザインとしての工夫がほしいところです。

タイトルの付け方も気になります。
左側は紙のDMの利点を言うわけですから、一番上のタイトルは左側のページ全体を表すもので、その理由として開封率の高さ、そして、圧着式の興味喚起の強さといった見出しがふさわしいと思います。

それから、円グラフ。この使い方ではグラフ化した意味がないと思います。
これでは結局円グラフの周辺の文字を読み、数字を読み、数字から円グラフを理解し、それらを両円グラフで行い、ようやく比較して、理解となります。多かれ少なかれ文字を読んだりする必要はありますが、グラフを作るなら、100%の帯グラフを上下2段に並べ、グラフの上に開封・非開封、グラフの左にDM・メールマガジンと記載した方が理解が早いと思います。グラフの色ももう非開封はグレーなどにして開封した人の割合が一目でわかるようにした方が良いでしょう。

右側はまず、商品一覧というタイトル下の「はがき圧着2つ折り」などの枠と下段の値段などが記載されている枠の位置、幅が揃っておらず、気持ち悪いです。
そして、どうせなら、「はがき圧着2つ折り」などの枠と価格などの枠をつなげて、はがきのイラストもその中に含め、縦長の枠が3つ並ぶ形にした方がまとまりがあって良いように感じます。

6・7ページ目。


こちらもうまく言えませんが、もう少しデザインしました、という工夫が欲しいところです。スケジュールの図の幅が文章の幅より長くて飛び出ているのがどうかと思います。

スケジュールの図と説明文が合っていないように思います。
文章では営業日の正午までに注文されれば、ということですが、図では正午より前です。その正午より前という時間も何時なのかわかりません。どちらが正しいのか分からず混乱します。

次、8・9ページ目。


各枠にある矢印の意味の三角の位置が気になります。2ページ、5ページでも矢印を意味する三角が用いられていますが、それらは中央に位置しています。ですが、ここでは右に寄っています。画像に対してセンターであり、各工程の見出しの邪魔になると言ったことで今の位置なのかと思いますが、個人的には気になります。
また、各工程の枠の重なり方ももっとしっかり重ねた方が良いように感じます。例えば、1と2で言えば、2の枠の上の角丸が隠れるくらい1を2に重ねる、ということです。
現状では影を付けている意味が薄いように思いますし、枠に焦点を合わせた時、合わせた場所によってははグレーの枠の方が上に感じられます。
影といえば、各枠内の見出しの文言に影は必要?と思います。
枠の色といえば、どうせなら全て同系色で最初と注文完了の枠の色とでグラデーションさせた方が順番の変化ということがわかりやすいのではないでしょうか。
さらに色といえば、1・3と4の色が微妙に違うような気がします。4が濃いような。実際は画像ほど大きな差はないです。画像は部屋が暗く写りが悪いのでわからないでしょうし、これは私の気のせいかもしれませんが。
あと、右下の一行は左側の枠の下と揃っていたほうがきれいだと思います。

10・11ページ目。


ここも一工夫欲しい所。
この10・11ページはデザインに関するページなので、デザインという大きなタイトルがあり、その下にテンプレートから選ぶ、と、自分でデザインする、といった見出しで分けた方がわかりやすいように思います。

あと、追加。
他社との比較ページですね。A社、B社などで表にしていくつかの項目を比較したページ。
表頭にOCL、A社、B社など。表側にデザイン、発送タイミング、パーソナライズ対応などで比較です。
料金については、折れ線グラフで見せればわかりやすいのではと思います。X軸に発送数、Y軸に単価。OCLは水平線になり、他社は右下がりのグラフになるのでしょうけど、それだと何通までならということがわかりやすいでしょう。
また、どこかで他社が安くなるのでしょうけど、そこから先はKDCの別サービスの紹介やデザインやパーソナライズのメリットなどで検討していただけるような見せ方の工夫をするとか。

ついでに付け加えると、1通1通内容を変えられるということですが発注者側でいわゆるABテストができるようにすることも可能でしょうね。
アップロードされた発送先リストをランダムでグループ分けして、グループ毎にデザインを変えてればできそうに思うのですが。もちろん発注者側で対応しないといけないことも同時に発生するので誰でもってわけにはいかないでしょうけど。
さらには、何らかの方法で効果検証もできるようしてそういうプランを追加すれば差別化にもなるでしょうし、ダッシュボード的なものも用意してデータが蓄積されるようにして過去の結果と比較できるようにすれば、離反防止にも有効かもしれません。
さらには、簡易なアンケートもできるプランも追加して適切なターゲット設定までお手伝い、なんてプランも可能かもしれません。と言いつつ発送数が少ないのでそこまでするほどでもないでしょうか。

さらには、デザインの工夫で何かの案内状や招待状だとかもできたりするのかもしれません。宣伝目的以外のDM、圧着はがきの使い方。そういう切り口の訴求もあるかもしれません。

書き出したら、色々出てきて雑になってしまいましたが、この様な感じで以上です。各ページをもっとしっかり見たり、文章まで読み出したりするともっと色々出てくるかもしれませんがこの辺で終了。
総じて、情報の整理がもう少し必要かなと感じました。デザインの質も上げた方が良いように思いますし。
そもそもターゲット像がよくわからないです。どういう人にどういう風に知ってもらうのか。何を知ってもらうのか。単に知ってもらうだけでいいのか。このサービスについて何か色々と考えないといけないような。