クッキー規制、同意の取り方が気になります

日経新聞にクッキーを利用した個人データの分析に関わる新ルールを整える、というニュースがありました。

私は新ルールができても現状と大した違いは無いのではと思います。

記事によると、クッキーを取得する際には、個人情報と同様の扱いをし、目的を伝え同意を取るよう義務付ける、とあります。
一見すると、利用者にとっては安心、となりそうに思います。しかし、この同意が曲者だと考えています。

なぜなら、同意しなければサービスを利用できない、という形になるのでは、と思うからです。
アプリなどでよくあるかと思います。インストール後、利用する際に「同意する」を選択しなければ次へ進めない、つまり利用できない、という形。
Webサイトであれば、例えばCNET Japanのように「このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。」ということで利用すれば、自動的にクッキーの利用に同意したとみなす方法。
新ルールができても、こうした方法を様々なサービスが採用するかもしれないからです。

既述の通り、新しく作る規制では、取得したデータの利用方法や利用目的も伝えて同意を取る、という形が考えられているようです。
ですが、そうしたことだけでなく、同意の取り方、同意しなかった場合のことも含めて検討しないといけないのではと考えます。
同意しなければ、サービスを利用できないというのであれば、自分の情報を利用されたくなくても、サービスを利用したければ同意しなくてはなりません。これでは新ルールが無い状態と変わらないのではないでしょうか。

そもそも大抵のサービスはクッキーから個人の閲覧情報などを取得することが主目的ではないと思います。
例えば、問題になったリクナビはデータを活用してもらいたくて利用するサービスでもなければ、データを取得し、それを分析して利益を上げるサービスでもありません。就職先を探すために利用する、良い人材を企業に紹介して利益を上げるサービスだと思います。
個人データを利用することでより利益を上げられるからといって、個人データの利用を認めない人にサービスを提供しない、とするのはやりすぎのようにも感じます。

とはいえ、企業側からすると、企業がどのような人をお客様とするかは、企業が決めることで、企業の意向に沿わない人にサービスを提供しないからといって問題でもないでしょう。
また、利用する側にしても気に入らなければ他のサービスを利用すればよいだけです。ただし、選べるくらいに同意の取り方に違いがあればですが。

さて、ここまで書いておいて恐縮ですが、私はこの問題をわかっていないのかもしれません。
私は人目を気にする質なので、ネットの意見をサラッと見ましたところ、皆様、これは企業側は大変だ、という意見ばかりなので。